矯正ブログ

2021年9月 1日 水曜日

重症歯周病と言われました。そんな歯でも矯正はできますか?

歯周病でも矯正はできます。もちろん歯周病のままでは歯を動かすことはできません。
矯正をする前に歯周病を治しておかなければなりません。
下の写真の方は初めは重症歯周病でした。ほとんどの歯に動揺がありました。
歯周病でグラグラした歯が勝手に動いて歯がスキスキになり歯並びがガタガタになってしまったのです。
「治し方」
最初、ブラッシングの徹底とその習慣化をはかりました。
その後、歯周病治療を行いました。局所麻酔下で行うパーフェクトペリオ超音波機械治療が主です。
また、歯周病に侵された組織の
回復力と免疫力を高めるためにオーソモレキュラー栄養学も取り入れました。
歯周病治療に食事指導や治療用サプリメントは大変有効です。
その結果、歯の動揺は治り(炎症がなくなると動揺はおさまる)、歯肉出血もなくなり、
歯肉の腫れもなくなり、歯肉の色は赤紫からピンク色に回復しました。
お家での予防手入れもしっかり実行しているのを確認して矯正治療に入ります。
もちろん矯正中も今まで以上に歯の清掃に力を入れてもらい、来院のたびに
メンテナンスを行います。そして矯正終了後も定期的にメンテナンスを行っていきます。
治療期間:2年3ヶ月  治療費総額:1,317,000円

ホーカベ歯科クリニック  歯科医師 波々伯部重俊




     

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2021年8月27日 金曜日

矯正の費用はなぜ違う

矯正治療の費用に差があるのはなぜ?

自由診療という概念
矯正治療は自由診療であり、一部例外を除き保険は適用されません。
こうした自由診療の料金は歯科医院ごとで自由に設定できるようになっています。

ある程度の相場はあるものの、歯科医院ごとで料金を設定できるため、差が生まれます。

矯正方法や装置の違い
矯正治療には様々な方法があり、どの方法を使うのかは歯科医院によって異なっています。
ワイヤー矯正を推奨する歯科医院もあるなかで、マウスピース矯正を推奨する歯科医院もあるのです。

矯正方法が異なるということは矯正に使用する装置も異なるため、このことも料金が異なる要因です。

複数の歯科医院で費用を比較する際は、それぞれの歯科医院の矯正方法も確認するとよいでしょう。全く違う矯正方法をとっているのであれば、それは料金での比較はできません。

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2021年8月20日 金曜日

抜歯する場合としない場合

矯正治療における抜歯、非抜歯の基準とは?
「矯正をしたい」と思ったらまず、インターネットで矯正治療について調べる方が大半だと思います。そして大人の方の矯正の中で特に抜歯がするかどうかという点を気にされる方は少なくありません。

しかしインターネットで調べていくと「抜かない矯正治療」や「非抜歯矯正」というホームページがあると思ったら、逆に抜歯をせずに矯正をするとゴリラ顔になるとか、口が閉まらなくなるリスクがあるという情報も出てきてしまうことがあり混乱している方もいらっしゃるかと思います。

矯正治療で抜歯する時としない時があるのはなぜか?
矯正相談をした時に、抜歯が必要と言われた方の中で、どうして抜歯が必要なのかをしっかりと説明されたことがありますか?

矯正治療で抜歯をする必要性がある場合は主に4つあります。

1.デコボコを解消するためのスペースの確保
2.上下歯列の咬み合わせのズレを補正するため
3.前歯の角度や位置を改善するため
4.口元の突出を改善して綺麗な横顔にするため

上記は相互に関係するため個別で抜歯、非抜歯と判断はできないのですが、この4つの問題を抜歯以外の方法で解決できるのであれば非抜歯での矯正が可能になり、出来なければ抜歯での矯正となります。

つまり矯正治療における抜歯、非抜歯を決定する4つの基準は
①デコボコの量
②上下歯列の前後的咬み合わせのズレの量
③前歯の角度が適正範囲からどの程度は外れているのか
④口元の突出の程度
となります。

デコボコの量
「歯が大きく、顎が小さいため抜歯をする必要があります。」
これは矯正治療で抜歯が必要になる際の説明で最も話されることです。
デコボコが大きく、ガタガタしている歯並びを治療するためには、歯をきれいに並べるためのスペースが必要になってくるためです。

しかし、「デコボコが大きい」=「抜歯が必要」ということではありません。実際にデコボコを解消するためのスペースを作るための方法の中で、抜歯は最も簡単で効率的な方法ですが、スペースを作る方法はそれ以外にも複数あります。どのくらいスペースを作ることができるかは個人差がありますが、複数の方法を組み合わせることで歯を綺麗に並べるスペースを作っていくことも可能です。

デコボコを解消するためのスペースを作る方法
抜歯
矯正治療で抜歯をする場合は、犬歯の後ろにある小臼歯を抜くことが一般的です。上下左右のバランスをとるために計4本抜くことが多いのですが、上顎だけ2本や下顎だけ2本を抜くケースもあります。

小臼歯は7mm~8mmありますので2本抜くと確実に14mm~16mmの隙間を作ることが可能になるのです。

デコボコがひどい方でも歯を並べるために必要なスペースが14mm以上という人は少数であるため、スペースの確保が確実にできるという点から抜歯されます。

歯列の側方拡大
歯列を横に拡げてスペースを作る方法です。ただし、骨の成長が終わっている大人の方の場合は、歯列が横に拡がるだけで骨は広がりません。現在の歯列が内側に倒れてこんでいる方は、大きく拡大できる可能性がありますが、歯列が外側に倒れてる方、骨が薄い方は拡大することができません。そのような方が無理に拡大しようとすると骨から歯根が飛び出てしまい、歯肉が下がり後戻りの原因になります。

どの程度スペースを作ることができるかは個人差がありますが、側方拡大1mmにつき0.7mmのスペースを作れるとされています。ただし日本人の場合は拡大可能量が小さく、デコボコの量も大きいため側方拡大単独でのスペースの確保は難しいと言えます。

奥歯を後方に移動
奥歯を後ろに動かすことで歯を並べるスペースを作る方法です。インプラントアンカーという歯槽骨に小さなネジを埋め込むことで、そのネジを固定源にして歯を動かす方法が確立されてから急激に使われるようになりました。従来は奥歯を後方に移動する際の歯のコントロールが難しいかったのですが、ドイツで開発されたベネフィットシステムという装置が日本で認可されてからは、非常に効果的に奥歯を後方移動することができるようになりました。

理論上ではいくらでも後方移動できるのですが、当然、限界が存在します。後方に移動できる量は奥歯の後ろにどれだけの骨があるかによって変わります。そのため、この方法をとる場合は、事前にセファロレントゲンやCTで後方の移動可能量を測る必要があります。

しかし日本人は、短頭型で頭蓋骨の前後径が短いため、奥歯の後方の骨に奥行きがないため2~3mmの後方移動が限界という方がほとんどです。稀に5mm以上後方の骨がある方もいますが、多くの方はこの方法単独で抜歯矯正と同程度のスペースを作ることは困難です。

前歯を前方に移動
前歯を前方に移動することでスペースを作る方法もありますが、この方法は前歯が内側に倒れているような特殊なケース以外では使用されません。

歯を削る(ストリッピング)
ストリッピングは歯の横側をそれぞれ片面0.25mm以内、両面合わせて1本当たり0.5mm以内で削ることでスペースを作る方法です。

歯と歯の間を削っていくので全ての歯に行うと理論上は13か所で6.5mmのスペースを作ることができる計算です。

上下歯列の咬み合わせのズレの補正
出っ歯や反対咬合のように上下歯列に咬み合わせのズレがある方は抜歯が必要になる場合があります。出っ歯の一般的な治療法としては上顎前歯を後方に動かすことで歯を並べるのですが、この上顎前歯を後方に移動するためのスペースが必要です。そのスペースを作るために上顎小臼歯を抜歯してスペースを作ります。

また、反対咬合の場合では下の奥歯の後ろに骨の余裕があれば非抜歯で治療できる可能性があります。ただし、反対咬合の場合は下顎前歯を後方に動かすと、下の前歯が後ろに倒れすぎてしまい歯根が骨から出ることがあります。重度の場合では矯正治療単独ではしゃくれた横顔が治らないため、外科矯正という手術を併用した治療を選択することもあります。

上下前歯の角度は適切か?
歯並びが悪くないのに上下の前歯だけ突き出している、上の前歯だけ前に反り返っているということがあります。

このような歯並びの方は笑った時の見た目を気にして矯正を希望されるのですが、実は見た目だけでなく、歯並びの安定性や歯の健康寿命にも関わってきます。そのため、治療計画を立てる際は上下の前歯の角度や位置が適切かどうか、また適切でない場合は前歯をどこに動かすかを考えて全体の計画を立てる必要があります。

このような歯並びの場合は、大きなスペースを作る必要性はなく、一見抜歯は必要ないように思えが、深く考えることなく単純に並べてしまうと著しく前傾している上顎前歯の角度の改善ができません。そのため、下顎前歯が上顎前歯を突き上げることになり、将来的に健康な歯列を保てなくなるリスクがあります。

口元の突出具合
出っ歯がコンプレックスの方の大半は、出っ歯よりも突き出した口元を改善したい、綺麗な横顔になりたいと希望されます。突き出した口元は見た目の問題だけでなく口唇閉鎖不全や口呼吸にもつながるため治療計画を立てる上で重視しなければいけない項目の一つになります。

口元の突き出しを改善するには前歯を後ろに移動させる必要があります。移動させる量が大きい程口元を大きく引っ込めることができます。前歯をどの程度後ろに動かす必要があるのかが決まるとそれに必要なスペースが決まります。そのスペースを非抜歯で作ることができれば非抜歯矯正が可能になります。著しく口元が突き出しており、口唇閉鎖ができない方は抜歯矯正になることが多いと考えていただいた方がよいでしょう。

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2021年8月13日 金曜日

矯正治療後の後戻り

矯正治療を経験した人から後戻りしたという話を聞いたことありませんか?

せっかく矯正をしてきれいな歯並びになったとしても、徐々に元の歯並びに戻るのであれば治療する意味がないのでは?と考える方も多いと思います。実際のところ、矯正治療後のわずかな後戻りは避けられないこともありますが、通常の後戻りは歯と歯の間に僅かな隙間ができる、下顎の前歯に僅かなデコボコができる、少し歯が捻じれてしまうといった程度の後戻りであり、治療前の歯並びに完全に戻るなどという、矯正治療をした意味がなくなってしまうような後戻りはありません。矯正したことが無意味になってしまうような大きな後戻りは対策をすることで防止することが可能です。そこで、後戻りの原因と対処法について解説します。

後戻りの原因
リテーナーの未使用
後戻りの原因の中で最も多い原因です。
リテーナーを使用しなければ必ず後戻りをしてしまいます。リテーナーが必要な理由と使用期間の目安などについて説明します。

リテーナーはなぜ必要なのか?
歯は骨と直接くっついているわけではありません。骨と歯根をつなぐ歯根膜という組織でつながっているのです。矯正をしている間は、周囲の骨が吸収したり、つくられたりしながら骨の上を歯根膜で引っ張られた歯が移動しているのです。

歯を動かしている間はこの歯根膜が伸び、歯と歯槽骨との隙間が拡がるために歯がグラグラした感じがします。そして矯正が終了し歯並びが綺麗に並んだばかりの時はまだこの状態が続いており、歯がグラグラして動きやすい状態になっているのです。

さらに歯肉の中には、歯周線維という矯正治療中に伸縮するゴムのような組織が歯の周りや歯と歯の間にあります。この線維はゴムのように元に戻ろうとする力が働くため、矯正装置を外したあと、リテーナーを使用していないと歯を治療前の状態に戻そうとしてしまうのです。

元の状態に戻ろうとする力を抑えながら、安定させるための装置がリテーナー(保定装置)なので、後戻りを防ぐためにはしっかり使用する必要があります。

リテーナーの使用期間
個人差はありますが、使用期間は骨が固まって、歯肉線維の緊張が取れるまでの期間です。

治療が適切でなかった場合
骨格的な問題が原因の不正咬合を無理に矯正のみで治療する、本来ならば抜歯しての矯正をするべきであるにもかかわらず、無理に非抜歯で矯正を行うなどした場合などは後戻りの原因となります。

限界を超えた骨格の捻じれを矯正治療単独で治療した
日常の習慣の積み重ねによって、ほとんどの方が何かしらの骨格の歪みを抱えています。多少の歪みならば歯で補正することで、問題なく治療可能ですが、極端な反対咬合や出っ歯を無理に治療をしようとすると、どうしても限界を超えて歯を傾斜させる、歯槽骨からはみ出して並べるといった並べ方をしないといけません。このような治療では安定性が悪くなってしまうため、後戻りの原因となるので、外科矯正を検討すべきです。

無理な非抜歯矯正
非抜歯で矯正治療をしようとする際には、歯列を側方に拡大することがあります。成長途中の子供の場合は骨の継ぎ目が閉じていないため、拡大することができるのですが、成長が終わっている大人の方の場合この継ぎ目が固まっているので、無理に拡大をしようとすると後戻りの原因になってしまいます。成人矯正で側方拡大をするのは、歯が内側に倒れている場合以外はお勧めできません。特に下顎歯列の拡大は後戻りの大きな原因になるので歯の乱れが大きい場合は無理に非抜歯矯正をすることは避けるべきと考えます。

治療後の成長
人の顔は成長するにつれて変化しますが、特に顔の下半分が長くなる事にをご存知ですか?
成長が終わる前に矯正治療が終了すると、その後の成長が後戻りの原因となることがあります。これは後戻りというよりは成長への適合といえるのかもしれません。歯並びとともに噛み合わせが正しくなった状態で治療が終了した後に身長が伸びると、下顎が前下方に成長していきます。歯が乗っている土台が成長するため、主に下の前歯が内側に倒れながら補正して正しい咬み合わせを維持しようとするのです。そしてその結果として下の前歯にデコボコが出来ることがあります。こちらの予防策としては成長が終わってから矯正治療を終了することが考えられますが、多少の成長が残っていたとしても問題ありません。ただし、もともと反対咬合の方は身長が止まるのを待ってから治療を終了した方がいいでしょう。

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2021年7月31日 土曜日

かみ合わせが悪いとどうなる?

咬合が及ぼす全身への影響

噛み合わせとは、上下の歯の接触の仕方のことを言いますが、噛み合わせが正しい状態になっている人は、ほとんどいないと言っても過言ではないのが現実です。

なぜ噛みあわせが正しい状態になっていない人が多いのかというと、噛み合わせが正しくなくても、すぐに症状が現れるわけではないため、噛み合わせが正しくないことに気付いていない人が多いからです。
また、日頃悩まされている頭痛や肩こりなどの不定愁訴の原因が、噛み合わせにあるかもしれないということに、気付いていない人も多くいます。

噛み合わせは、顎周辺や口の中だけでなく、全身に悪影響を及ぼします。口の中の健康だけでなく、全身の健康のために、噛み合わせを正しくすることは非常に大切です。


噛み合わせを悪くする原因となるもの

• 悪い姿勢
• よく噛まないこと
• 同じ動作を繰り返す
• 歯を失うこと(抜けたままにしておくこと)
などがあげられます。


噛み合わせが全身に及ぼす悪影響

• 肩こり
• 頭痛
• 腰痛
• 耳鳴り
• めまい
• 鼻づまり
• 目のかすみ
• 顎関節症
などがあります。


かみ合わせの影響が全身に及ぶ理由

かみ合わせが悪いと、無意識に重心をずらしてバランスを取るようになります。さらに悪化して頭のバランスが崩れてしまうと、肩や腰を歪ませてバランスをとるようになってしまうのです。

このようにして、噛み合わせのアンバランスが、身体のさまざまな箇所のバランスの乱れ・歪みを生じ、姿勢を悪くしてしまいます。
姿勢が悪いと、さまざまな悪影響が起こることは良く知られていますが、かみ合わせも姿勢に大きく影響しているのです。

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問い合わせ電話番号:0561-54-5152